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前編に続き、『a family』後編です

 

 

 

『 a family(後編) 』

 

 

今日は土曜日

4時限目が終わり、食堂へと移動する

すると鈴が

「午後から暇か?」

「うん、暇だけどどうしたの?」

「モンペチ買うから手伝ってほしい」

缶詰重いしね

「いいよ。いつ買いに行くの?」

2時に校門で待ち合わせする

小毬さんや恭介じゃなくて、僕を頼ってくれたのは結構嬉しかったりした

って、僕が鈴を好きみたいじゃないかっ

どうも変だ

一昨日から鈴を変に意識してしまっている

なんなんだこれは

鈴は妹みたいなものじゃないか

そうだ、それでいいんだ

そう考えると変な感情はどこかへ行った

少しだけ、胸を痛くして

「理樹。考え事か?」

「ううん。なんでもないよ」

たった今解決したしね

「そうか。あぁ、あと午後から用事あるか?」

「ごめん、鈴とモンペチ買いに行くんだ。でも、何かあったの?」

「いや、昨日ちょっと二木に捕まってな、掃除を命じられたんだがみんながいれば楽だし楽しいからな」

「どうせ、また馬鹿なことをやっていたんだろう?」

おぉ、久々に謙吾がまともだ。って失礼だ

「いやな、下の階に降りる為のロープを結んでたらな、『やっと尻尾を掴みました』とか言って説教されてたんだよ」

結構な自業自得だった

「でも、もう冬だし危険だからちゃんと階段使って降りてきた方がいいよ?」

「心がけるさ」

まぁ、どうせやるのだろうけど

「でも理樹もついに鈴とデートするようになったか。頑張れよ」

え?デート?

「ただモンペチ買いに行くだけだよ」

「それに、鈴と僕はそんな関係じゃないし」

そう言うと少し空気が変わった気がした

恭介は何故か真面目な顔で

「お前にとって鈴はどういう奴だ?」

これは僕がさっき答えを出したのと同じ質問だ

「妹、みたいなものだと思ってるよ」

また胸がチクリと痛む

でも、この痛みがなんなのか僕は知らない

多分、自分で気づくことはないのだろう。それだけはわかった

「そうか」

「恭介も掃除頑張ってね」

そろそろ2時だ。行かなくちゃ

別れ際に恭介が笑ってた気がするんだけど、気のせいだろうか

鞄を置いて、財布を持ち校門へ向かう

到着したのは1時55分ちょうど良い時刻だろう

少し遅れて鈴も来て、商店街のペットショップに向かった

商店街は僕たちの学校に近く、放課後そのまま来る人はたくさんいた

「と、鈴?」

「ここだ」

少し気を抜くと逸れそうだ

そんな活気のある街でもないんだけど

「理樹」

「なに?」

「その、手、繋ぐぞ」

「うん。いいよ」

一昨日みたいに取り乱したりはしない

少し鈴の顔が赤いような気がする

「鈴、大丈夫?顔が少し赤いよ?」

「だ、大丈夫だ。なんでもない」

「最近寒くなってきてるから気をつけてね」

繋いだ鈴の手は冷たくて、小さかった

「理樹の手はあったかいな」

「鈴の手は冷たいね」

そんな、小さい手を温めるために、ギュッと手を強く握った

ペットショップに着いてからは新作のよくわからないモンペチや、猫たちが気に入ってる物(本当かどうかはわからないが)を買っていた

「ねぇ、鈴」

「これなら一人で持てたんじゃない?」

結構買ったとはいえ重さは全然大したことなかった

「あたしとしてもここまで軽いとは思わなかった」

いつも買ってるのに

「まぁ、良い散歩になったし丁度良かったかな」

「そうだな。感謝してくれ」

ペットショップから出て、また手を繋ぐ

一昨日の動揺が嘘のように落ち着いている

「鈴ってさ、好きな人とかいるの?」

極めて自然な流れでとんでもないことを聞いてしまった

僕は何を聞いてるんだあああああああああああああああ

心境は髪を毟るときの真人のそれと同じだった

モンペチを持った手をブンブン振りながら

「いやっ今の質問忘れて、お願いだから」

「なんだ、いたらどうなるんだ?」

いや、喰いつかないでよっ!

「いても何ともならないよっ、だから忘れて下さい」

「なんともならないのか」

首をブンブン縦に振る、多分今顔は真っ赤なのだろう。なんて質問してしまったんだ

「でも、いるぞ」

首がピタッと止まった

いや、知りたくないわけないけど、聞くのはあまりにも失礼だ

だけどこのリアクションじゃ「聞きたいです」って言ってるようなものじゃないか

「知りたいか?」

これで聞きたくないって言うのは無理がありすぎるし、何か言いた気な様子?

「教えてくれるなら知りたいね」

「そうか、一回しか言わないからよく聞くがいい」

得意気に頷いた後、何かを決心したかのように一呼吸置いた

そして口にした名前は・・・

「ええええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」

「意外だったか?」

「いや、意外というか、なんで?」

鈴が僕を?

「まぁ、いると落ち着くな」

「そ、それなら真人や謙吾だって」

「あんなのと一緒にいておちつけるかーっ」

だめだ、完全に混乱している

ついさっき決心しただけに動揺は激しかった

「さむいから早く帰るぞ」

僕の手を引っ張って歩く鈴

一応まだ僕返事してないんですけど

部屋に戻ると恭介がお茶を飲んでいた

「お、帰ってきたか」

やけに爽やかに迎えてくる

「鈴言えたか?」

「う、うっさいっ」

モンペチを一つ投げつける

いや、それ結構危ないよ

「恭介何言ったのさ」

「まぁ、また今度教えてやるさ」

「さっき別れ際に笑ってたと思ったら、こんなこと企んでたんだね」

「こんなこと。ではないだろう」

まぁ、すごいことではあるけど

「しかも企むなんて人聞きの悪い。俺は2人の恋のキューピット役を担ってやったというのに」

「きしょいこと言うなー」

どぐしっ

兄にも容赦ないね

「まぁ、2人共仲良くやってくれよ」

「うん。ありがと」

しかし、一気に老けたね。恭介

「で、真人は?」

「あぁ、真人は学校の壁を走って駆け上がることができれば最強になれるって言ったら飛んで行ったぜ?」

いつもながらなんで引っかかるんだろう?

謙吾は確か部活だったはず

でも、土曜日だから後1時間もしたら終わるだろう

真人もそろそろ無理と判断してくれるだろう、多分

「あの2人が戻ってきたら他のメンバーも呼んで何かするか?」

「顔色に出まくってるぜっ」

「うん。そうだね」

その後、一向に戻ってこない真人を探しに行ったら真っ白に燃え尽きた真人を発見し、それからみんなでかくれんぼをした

まぁ、それはまた別の話となるのだが

 

 


end (次の日に続く?)

 

 

~あとがき~
どもっす。毎度毎度の研修生です
もう、テスト捨てましたっ
ちなみに前編の「数学の宿題の範囲の悪質さ」は私の学校の教師の数学のテスト範囲からネタ?もらいました
あと(次の日)っていうのは
まぁ、一応この話の後日談っぽいのにあたります
書いても読んでくださっている方がいるか不明ですが
なかなかに無理矢理話を収めたので違和感バリバリですが今後修正していきたいと思います
では、また今度
コメントお願いしますっ

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なまま~
いつの間にか二作目も!?ぐはっ・・・やりますな。ほのぼのとしていてなごみますねぇ・・・騒がしい彼らですけど、こういう暖かい日常もきっとたくさんあるんでしょう。いいなぁ・・・。
コタツ・・・そして丸くなる猫(鈴)。やべぇ!!イマジネーションがとまらないぜ!!

ところでこれSS情報サイトにはアップしないんですか?
そしてテストは・・・お疲れ様でした・・・
っておい!? 2007/12/06(Thu)14:55: 編集
Re:なまま~
なまま~
先ず、サイトにはやりません
面倒ながらもこのブログに足を運んでくださる方達に見てもらいたいと思っただけですので
そして、この話
タイトル最初に決めて、話的に鈴になってきたときに
「あれ?どこがfamilyなんだろ?」という壁にあたってしまいまして
話も無理に動かしすぎましたし、タイトルとも食い違っていたので
よく見かける「日記的な感じで話を進めていこう」と決心?しました
まぁ、今はテスト期間なのでなかなか更新できませんが・・・
個人的には ほのラブ よりも ほのぼの がいいなぁとか思ったり
それにはたくさんのキャラを一斉に動かさないといけないんですよね
難しいです
でも、がんばりますよ。応援ありがとうございますっ!
【2007/12/06 16:15】
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1980/02/26
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学生
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散歩
自己紹介:
 プロフィールを詐称する癖があります。
 二次創作がメインで、現在一次創作は停止気味です。
 暇なとき、「のんびりしていこう」という場所がここであればとても嬉しいです。

最近の衝撃:
 寝言「魔貫光殺砲」
 …そうですか、緑の人ですか。

注意:
 ルールとかとやかく言うのは嫌ですが、一応と。
 他の作家の皆様も何人か迷惑しているそうなのでこちらも。
 まぁ、最低限の常識は守ってください。ということです。

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