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それは、いつか望んだ姿

それは、何気ない日常の絵

それは、自分の最も愛する者達

それは、過酷な道程

それは、掴み取ったモノ

それは・・・

 

   『 a family(前編) 』

 

 

「ねえ、恭介」

「ん、どうした?」

「いくらなんでもこれは窮屈だよ」

そう、今日僕と真人の部屋に『炬燵』が設置されたのである

「そもそもこんなの勝手に設置していいの?」

「どうせ冬の間だけだ、それに机をどこかに置いておけばスペースは十分に確保できるだろ」

「勉強はどうするのさ」

「炬燵に入りながらやればいいだろ」

「あ、そうか」

なんか早くも丸め込まれそうだ、まぁ別に炬燵があってもいいのだが

「他に異論はないな?」

誰も挙手しない

まぁ、そうだろうな。暖かいのは僕としても大歓迎だし

「でも、5人で入ると無理だよ、体積的に」

主にでかい2人が

「ん、どうした?理樹」

「俺の筋肉に何かついてるのか?」

「なんでもないよ」

どうして2人ともこういう時は勘がこんなに鋭いのだろうか

「顔色に出まくりぜ、理樹」

恭介がそっと助言してくれた

「まぁ、そいつは交代で入ればいいだろう」

「もちろん炬燵に入ってばかりで遊ばないというわけはないよな?恭介」

「当然だ、雪合戦やら雪中騎馬戦やら考えは尽きないぜ」

雪中騎馬戦ってなんだろうか

でも、この冬が楽しくなるのはわかった

「本格的寒くなってきたからな、そろそろ一気に降ってくるぞ」

天気予報では来週あたりから雪が降るらしい

雪に重なるかのように、来週は終業式だった

つまり、冬休みである

12月中旬から1月中旬までの約一か月、結構長いけど宿題の量も半端ではないのだ

「でも、冬休みだからみんな家に帰らないといけないんじゃない?」

少し寂しかったが、みんなだって家族と一緒に過ごすのは当たり前だろう

基本的な学校では長期休暇中は閉寮なのだ

でも、この学校はどういうわけか年中無休で寮は開いている

僕やクドみたいな生徒には大助かりなのだが

みんなは答えずらいように顔をしかめた、少し嫌味っぽくなってしまっただろうか

すると真人が

「まぁ、元旦とかはいられないかもしれないけどよ、俺は休みの間もここにいるぜ?」

「宿題も終わらねえしな」

と、笑って言ってくれた

「そうだな、じゃないと雪でもみんなと遊べねえしなっ」

「いやっほおおおおおおおおおおおおおう!!」

あぁ、やっぱりみんなは最高の仲間だ

少しだけ、目頭が熱くなる

心が温かくなる

だから僕は力強く頷いた

「うんっ、みんなで遊ぼう」

ちなみに、鈴はというと・・・

「すー、すー」

早速炬燵に入って寝息を立てていた

「あ、もうこんな時間か」

気付けば10時を回っていた

「じゃあ、俺はもう部屋もどるな、鈴は起きたら帰しといてくれ」

「俺も戻るとするか、また明日な」

「わかった、お休み」

「あぁ、お休み」

2人を見送った後、鈴を起こさないように炬燵に入った

真人は2人がいなくなって空いたスペースで早速筋トレをしていた

「真人」

「どうしたっ理樹っ」

こんな時くらい筋トレは止めてくれても・・・

「その、ありがとうね」

「ん?なんのことだ?」

「うん、こっちの話」

真人は僕を慰めるために言ったのではないのだろう、それだけに嬉しかった

「なんかよくわからんがランニング行ってくるぜ」

こんな時間に?寒くないのだろうか

「暗いから気をつけてね、あと風邪も引かないようにね」

「おう、行ってくるぜ」

「行ってらっしゃい」

部屋には僕と鈴の2人になる

何もすることがない・・・

あ、宿題出てたっけ

数学か、あの先生宿題の範囲が広いんだよなぁ

「うわぁ」

案の定だった、3,4時間はかかるだろう

なんでこんな宿題出すのだろうか、悪質すぎる

まぁ、明後日提出だから間に合うだろうけど、できるだけ明日に持ち越したくなかった

と、言ってもこれ終わったころには明日になってるんだけども

コップに水を一杯汲んできて勉強を開始する

集中してからは時間の経過が早かった

結構な量だった宿題は、あと2,3問で、意外に時間はかからなかった

気付けば12時を回って・・・って真人はっ!?

と、気づくのと同時に部屋のドアが開いた

「ふぅ~熱中して走りすぎちまったぜ」

本当に真人の体力は無尽蔵だ、いつだったか銅像持ち上げて歩きまわってたし

「お帰り真人。早くシャワー浴びたほうがいいよ」

「そうだな」

「って、鈴まだいたのか」

「さっきからずっと寝てるよ」

「そろそろ起こしたほうがいいんじゃねえか?」

「そうだね」

真人はそう言って浴室に消えていった

流石に時間が遅いし、炬燵で長時間寝てるのは危険だ

「ほら、鈴。起きなよ」

「う~みゅ」

変な声を出しながら起き上がる

「大丈夫?」

新しくコップに水を入れてくる

「ん~ぼーっとしてる」

まぁ、長時間炬燵にいればのぼせもするだろう

「一人で部屋に戻れる?」

「戻れないわけでもない・・・」

すごい辛そうな顔をしている

「肩貸そうか?」

少し恥ずかしい提案だったが、この部屋に泊まらせるわけにはいけないし

「そうだな、頼む」

即決だった。うーん、なんか勝手に意識して恥ずかしいな

でも、鈴に好きな人とかはいるのだろうか?

いつだったか恭介が代わりに断ったって言ってた気がするけど

まぁ、どうせ僕ではないだろうし、関係の無い話か

でも、鈴にそういう人ができて今までの僕たちでいられなくなってしまうのは寂しかった

「理樹」

「どうしたの?」

「やっぱりおぶってくれ」

「・・・うん」

いや、これは動揺するでしょ

いつもなら平気だろうけど、今じゃ意識しちゃうのも無理はない。と、自分で自分にいいわけする

とは言っても、断るのも不自然だ

それに、幾分か歩きやすくなったし、結果オーライだ

男子寮から出る、冷たい風が吹きつける

「さむっ」

あぁ、お願いだからしがみ付かないで。今は

急いで女子寮まで行く

ホントに寒かった、真人はこんな中熱中して2時間も走っていたのか

背中には鈴が依然、しがみ付いている

しかし、僕はなんでこんなに鈴を意識しているのだろうか?

鈴を好きなのだろうか?まさかね

仮に僕が鈴を好きだとしても、鈴が僕を好きなわけがない

どこか、チクリと胸が痛んだ気がした

鈴の部屋まで来る

「ここで大丈夫?」

鈴を部屋の前で降ろす

「ん、ありがとうな」

「どういたしまして」

「じゃあ、僕部屋に戻るね」

「あぁ、じゃあな」

「うん。お休み」

部屋に戻ると、炬燵の上にあった宿題を見た真人が、提出日も確認せずに明日提出と勘違いして、必死にノートを写していた

いや、了承くらい取ろうよ。真人

こうして一日が終わる

明日は何があるだろうか

つまらないかもしれない

楽しいかもしれない

辛いかもしれない

でも、どう転ぼうと楽しく考えよう

「じゃあ真人。僕は先に眠るね」

「おう、お休み」

「お休み」

 

 

 


END (後篇に続く)

 

 


~あとがき~

どもっす。研修生です
え~今回のテストは予想以上に難易度高いらしいですorz
先生が「今回のテストは出来がいいぞぉ~」などとのたまってました
ちなみに前回の更新で過去の作品をアップしたいと思います。とか言ったのですが『a family』
なんと、さっきつくったやつです
こんなもん作ってる暇あんならシンクロニクル更新しろやって話ですが、まぁ、気の向くままに創作しようじゃないかと自己完結してしまった次第であります
一つの話にするつもりだったのですが前編後編の二部作となってしまいました
鈴との関係は次回進展させるつもりです
自意識過剰ですが、この話を続けてほしいという方がもしいらしたら、コメントお願いいたします
次回更新こそ再来週くらいですかね?w ではまた今度お会いしましょう~

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年齢:
44
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性別:
男性
誕生日:
1980/02/26
職業:
学生
趣味:
散歩
自己紹介:
 プロフィールを詐称する癖があります。
 二次創作がメインで、現在一次創作は停止気味です。
 暇なとき、「のんびりしていこう」という場所がここであればとても嬉しいです。

最近の衝撃:
 寝言「魔貫光殺砲」
 …そうですか、緑の人ですか。

注意:
 ルールとかとやかく言うのは嫌ですが、一応と。
 他の作家の皆様も何人か迷惑しているそうなのでこちらも。
 まぁ、最低限の常識は守ってください。ということです。

 文書の無断使用・転載はなさらないよう御願い致します。
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