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久しく晴れた冬の昼。来ヶ谷は監視カメラの映像を見て哂った。
(いや、実に面白いな理樹くんは…、自分の仕草が相手にどう影響を与えるのか理解していない辺りが特に好ましいよ)
少々、いや実にイヤラシイ笑みを湛えた彼女は無線から助言(笑)を下す。
「学校の制服を着て本名を教えたら、探られたりでもしたらお終いなんだが…そこのところを訊いてもいいかな?」
『…アッー!』
「はっはっは。いや、がんばりたまえ」
満足そうに笑い、救済を求められる前に無線を切る。
ちなみに、監視カメラの映像の右上には「○REC」とついている。
そこらへんなお約束で下手を打つ来ヶ谷ではない。
「いやしかし、理樹くんはトラブル体質だったか…?」
…多少危険な発言もご愛敬。
やはりお約束は絶対に逃さない、来ヶ谷であった。
あのチョコレートを手に入れろ!
「アッー!」
「ん? どうかした?」
「いや、何でもないです!?」
突如危ない叫び声を発した少女(何と呼んでいいか分からなかった)を見る。怪しい素振りで返されたが。
ソレにしても可憐だ。中性的な顔つきがまた良い。
その上財布探しを手伝ってくれると言う。──美少女に尽くしてもらう。これ以上の至福が果たして存在しようか? いやない。
「それより、本当に財布探すの手伝ってくれるの?」
「うん。あ、いや、ハイ。困ってるようでしたし」
「ありがとうございます。丸っこい虎猫の絵柄の財布なんだけど」
「……わかり、ました。ここら辺で落としたんですか?」
「はい。すぐそこの店で買い物した直後だったので」
なんだろうか、財布の特徴を話した時に一瞬だけ硬直したような気がする。
…気のせいか。
「お年玉が全額で入ってるからなぁ、見つかったら何か奢りますよ」
まぁ、それくらいは当然だろうか。それに、可愛い子と一緒に入れるのは嬉しい。
いつになく軽い調子で話しかけていると、まるで自分がそこらのナンパ男と同類に思えてくる。
「ま、いいか」
学年末の考査が迫る中の祝日。この日くらいハメを外しても罪ではないだろう。
断ろうとする少女を半ば無理矢理に誘って、今だ財布が発見されていないことに気が付いた。
■■■
たった今、僕は窮地に立たされている。
その原因は、別に女装がバレたわけでもなく、スカートの中がスースーするわけでもない。
ただ単純に財布が見つからないのだ。
それも当然かもしれない。そもそも、僕がちょっと協力したくらいで見つかるようならあんなに白昼堂々と叫ぶはずがないし。
…今更ながら、声をかけた時のテンションは異常だと思う。
「やっぱり誰かが拾っちまったのか…」
彼がぼそっと気落ちしながら呟く。
そうだろう、財布を落としたら僕だってそうなる。
真人に至っては灰になるだろう。
「一度近くの交番に行ってみますか?」
「う…、あんまり交番とかって行きたくないけど…背に腹は代えられないな」
渋々、といった様子で彼は頷いた。
「で、近くの交番ってどこだったっけ?」
ごめん、僕も知らない。
現在、彼はちょっとした書類への書き込みと、知らない人へ頭を下げている。
心優しい人が交番に届けてくれていたようだった。
何でも、『虎柄の、小銭によって膨れた財布が転がっていた』らしい。
ドルジ…どこまで非常識な猫なんだろうか。
「本っ当にありがとうございました!」
「はい、どういたしまして。困った時はお互い様ですしね」
財布を拾った女性は、本当に心優しい人物だったようだ。謝り倒す彼を笑顔で宥めている。
それを眺める駐在警察官も苦笑して、「今度からは落さないようにな」と言っている。
なんだろう…ここだけ昭和とか、もっと前の古き良き時代の匂いがする。
「それじゃあ、私はここで…」
まぁ、何にせよ、ミッションは終えたのだ。これ以上ここにいても墓穴を掘る可能性が高まるだけだ。
それに彼も当初の目的を忘れているようだし、去るなら今しかない。
「あ、君も本当にありがとう」
「いやいや、困ってるようだったし…」
「最近の若い人も捨てたもんじゃない──」
「そうですね、今では珍しい──」
いやだから、あなたたちはいつの時代の出身ですかと。
モンスターペアレンツとか、そんな世代じゃないんですか。
「あ、あ! 用事があるのを思い出したので私はもう帰りますね!!」
先ほどの言葉も忘れらてそうな勢いだったから大声で宣言して帰る。
去り際に、自然と「私」と言ってたのを思い出して、目頭が熱くなった。
P.S.一応無事に帰ることができた。
■■■
授業の終了を告げるチャイムが鳴り響く。今日は土曜日の為、午後からが生徒たちの休日の始まりだ。
そんな帰宅ムードの中、とある教室では腕章を着けた生徒たちが集まっていた。
「みなさん、お静かに。風紀委員の定例会を始めます──」
場を取り仕切るのは紫色の長い髪を紫色の髪飾りで括った女生徒。
琥珀色の瞳が特徴的だ。
整った顔立ちは、モテるであろう。しかしながらその身に纏う雰囲気が容易に話しかけることを拒んでいた。
尤も、定例会の最中にそんな事をする人物はいないだろうが。
「バレンタインデーなどのイベントにより、生徒たちも浮足立っているようです。その全てに注意して回っても作業が進まないので、3時以降も留まる生徒たちを中心に取り締まっていきたいと思います」
しかし、いつもの彼女より朗らかに見えるのは何故だろうか。
刺々しさ…は最近になっては身を潜めたものの、それは委員会活動外の話であって、委員会中まで穏やかになることはなかった。
首を傾げる委員連中の考えは大正解だ。
何を隠そう、現在彼らの前で委員会を取り仕切っている女生徒、二木佳奈多の正体は、彼女になり済ましている三枝葉留佳なのだ。
いくら細部を覗いて瓜二つの二人とは言え、葉留佳が怨敵・風紀委員(意訳:鬼ごっこの相手)の活動中の佳奈多を注視しているわけではない。
多少の違和感が出る事は明白だ。
しかしながら、それを踏まえて尚騙せている技量は、流石姉妹と言うべきだろうか。
内心で、葉留佳は大爆笑中であった。
「では、これで本日の定例会を終了します。質問は?」
これで罰ゲームも一段落。そうほくそ笑む葉留佳に一体何人が気付いただろうか。
「巡回はいつもの通り、3時過ぎからは二度巡回して終わりにします。では、解散」
無論、一部始終は恭介他数名にモニタリング(監視)されているのだった。
「ふっふっふっふ~! はるちんにかかればこんなミッションラクラクしょー! デスヨ!」
『変な造語は止めてください。他の方に聞かれたら明日からの二木さんのイメージが大変な事になりますから』
「いやいや、馴染み易くなっていいじゃないかと思うわけですヨ」
『いえ、馴染み易さの問題ではなく、センスの感じられないギャグで悪評を受けるのも不本意でしょうし…』
「はるちんしょーーーっく!!」
『だから自重してください』
さっき騙しとおせたのがそんなに嬉しかったのか、喜色満面で無線機と対話する。
ちなみに相手は西園。辛口のコメントは佳奈多の事を思って、らしい。無線越しの西園の表情はきっと笑顔であろうことを此処に記しておく。
…無論、その隣で理樹が口の端をひきつらせているのも。
「まぁ、ちゃっちゃと終わらせて理樹くんから貰ったチョコで癒されることにしますヨ」
『そう、ですね。それがいいと思います』
「はいはーい! じゃあ、何かあったら連絡するねー!」
『何事もないようにお願いしますね』
あははー、と。最後まで能天気に対話を中断する。
トイレから出てきた彼女の顔は、既に風紀委員長のものだった。
「遅れてごめんなさい。それじゃあ行きましょうか」
「「「はいっ」」」
ぞろぞろと、人並み引きて歩む葉留佳。
彼女が大好物に遭遇するまで、後、少し。
■■■
あの子にお礼をしていないことに気付いたのはその背中を見送ってからだった。
このままじゃ申し訳が立たない…。ではなく、せっかく名前まで訊いたのにこれで関係を断ってしまうのはあまりにも勿体ない。
思い出は美化されると言うけど、それを差し引いても可愛い子だった。
「合いに行くのも悪くはないよな」
いや、実際かなり迷惑な話だろうけど、やっぱりバレンタインの魔力という事にしておきたい。
……勉強疲れか?
「いやっ、そんな事はないよな。ははっははははは…」
独り言が寂しく。言ってる事も寂しすぎて、涙が滲んだ。
「さて、やって参りました我が戦場」
誰が聞くわけでもないのに呟く。だってそうだろう。今になって冷静な思考を取り戻したけど、名前を訊いただけの少女を訪ねて、普通学校まで来ない。
これはアレだ…ストーカーとか言うヤツではなかろうか。
「やっぱ引き返した方がいいよな…」
「ちょっとそこの貴方。この学校に何か用かしら?」
踵を返した俺の背に、ちょっと冷たい声がかかる。振り返ると紫髪が目に入った。
「この学校に」と言ってるし、俺に話しかけているらしいのは間違いないだろう。
となるとどうしようか。正直に言っても通報されかねない。
「えぇと。先日この学校の人に落した財布を探すのを手伝ってもらったので、そのお礼がしたくて来たんですが」
『正直』に話した。うん、実に正直だ。
決して嘘なんて吐いていない。事実、本当にそうだったんだし。
でも、俺の話を聞いて整った眉を跳ね上げたのを見て怯えても許されると思うんだ。
現在、紫さん(仮名)は俺の顔を覗き込んでいる。
それが息苦しいと感じ始めた頃、納得と言った様子で彼女は手を打った。
「あー! この前商店街で叫んでた人だ!」
見られてたのか!? …今更になってすごく恥ずかしい。
(というか、公で叫んだり、ストーカー紛いの事したり、もう俺手遅れじゃね?)
(あ、でも。そんなことなら門前払いにされるだろうから、これ以上の傷を負わずに済むかも)
もしあの子と対面なんかして、正面切って引かれでもしたら立ち直れないかもしれない。
不安と期待の籠った眼差しで見つめると、紫さんは誰かに連絡を取っていた。
こちらを見ながらニヤリと笑い…。笑い? 否、これは哂いだ。
このままだとマズイ事になりそうな気がしてならない。通報か? 通報なのか!?
逃げ出すわけにもいかず戦々恐々とする俺を傍目に、連絡を終えた彼女は高らかに宣言した。
「理樹く…ちゃんに会いたいんでしょ? ちょっと待っててね!」
俺の崩れかけたアイデンティティにトドメをさしてくれそうな、執行人の名前を。
■■■
葉留佳さんの罰ゲームは、概ね簡単に終わりそうだった。
元から彼女の内容は二木さんの代わりだったお陰で、監視側からすればそんなに面白いものでもないのだ。
解散ムードが漂い、葉留佳さんの巡回も終わり、最後に委員長としての最終点検、つまり単独での巡回が始まった時だった。
「ん? この男は…」
「どうしたの?」
何かに気付いた様子の来ヶ谷さんの後ろからモニターを覗きこむ。そして咽た。
「こ、この人は…!」
「人生面白い事もあるものだな、理樹くん?」
「こ…こんな楽しみは正直欲しくないかな…」
いつか会った他校の男子が、何故か僕たちの学校の校門にいた。
そして追い打ちをかけるように、その場には葉留佳さんが向かおうとしていた。
「………………」
何かに思い至ったような顔。取り出す携帯。鳴り響く来ヶ谷さんの携帯。
死刑宣告は、間近らしい。
やがて電話を切った来ヶ谷さんは、笑顔でこう告げた。
「さぁ、私の部屋に来てもらおうか? 直枝女史」
■■■
そわそわするのも仕方無いとは思う。何せ他校に侵入しておとがめなしなのだから。
そして今いるのは風紀委員の活動する教室らしい。それが余計に神経を削ってる事は言わずともわかるだろう。
「いやー、もうちょっと待てば理樹ちゃんが来るから!」
そう言う紫さんに先ほどまでの雰囲気は微塵も感じられない。針のムシロのようなここではそれが救いかもしれない。
…現実逃避もいい加減にした方がいいか。
「お礼に何か奢らせてもらおうかと思ったんだけど、今日連れ出すのは迷惑かな?」
と言ったのは校門での事。軽やかにスルーされたから今の俺がいる。
逆に、
「下心があるのは分かってるんデスヨ? さぁキリキリ吐くのだ!」
といわれた時は心臓が鷲掴みにされたかと思った。つまり、観念したのだ。
「あの子に会いたかっただけなんです!」
と吐いた。色々な大切なモノを捨てながら。
爆笑されて傷ついたのは言うまでもない。
紫さんがさっき言った「30分程」はとっくに過ぎている。何か用事があったのなら申し訳なさすぎる。
「ん? もしもーし、姉御ですか? うん。ワカリマシタ!」
鳴りだした電話を取り、楽しそうに話す紫さん。
電話を切ると、やはり楽しそうな声色で斬りだした。
「理樹ちゃんはもう教室の外にいますヨ」
俺は逃げだした。
しかし周り込まれた。
■■■
「ああ…何でこんな目に」
「可愛いからだろう」
「それとこれとは関係ないでしょっ!」
「それほどみんなに愛されているということだよ」
理屈になってない理屈に言葉を封じられ、遂に教室の前まで来てしまった。
何をすればいいのか。あれ以上居たくないからすぐに帰ったと言うのに、まさか学校まで来るとは思わなかった。
考える暇もなく、無情にも扉は開かれる(来ヶ谷さんの手によって)。
「え、あ…どうも」
「こ、ここここんにちは!」
あまりにも嬉しくない再会だった。
「お礼なんて良かったのに…」
「手伝ってもらって放っておけなかっただけだよ!」
異様にテンションの高い彼と歩く。凄く疲れる。
彼のこのテンションはつまり『そう言う事』なのだろう。正直信じられない。
女装しているとは言え…ニューハーフに惚れるようなものだ。自分をニューハーフと例えるのはかなり辛いけど。
もうバレる心配なんてしていない。
バレたらそこまで、ネタばらしすればいいこと。
罰ゲームだったと言えば、どこまでの信憑性があるのだろうか。ソレはともかくとして、被害者となった彼は本当に哀れだと思う。
「すみません。これから用事があるので、外出はちょっと…」
もちろん、嘘である。
僕の精神的疲労を察してくれる人がいるだろうか? 居るならば確実に僕を止めないはず。
「だ、大丈夫。渡す物があるだけだから…」
そう言って手提げカバンを漁る彼。正直言って不安で仕方がない。
それはもしや甘い食べ物ではないだろうか。だとしたら一か月間違えてる…というか男の人と男の人との間にその方程式は存在しないはず。
「コレ、貰ってほしいんだけど…」
「……あー」
予想通りのブツだった。
数瞬の間、意識が遠くへ行った僕を、誰が責められよう。
チョコレート。
バレンタインデーの日には女の子が好きな男の人や友人にチョコをプレゼントする日である。
そのチョコレートが、今眼前にあった。
大切なモノが崩れていくような感覚。
まさか、まさか男の人からこんなアプローチを受ける日が来ようとは…。
帰って寝たい。いや、その前にしなくてはいけないことがある。
「あ、あ…ありがとうございます。でも、私…」
予め用意していたセリフ。来ヶ谷さんの忠告が効いたみたいだ。
『理樹くん。わかってると思うが相手は他校まで侵入してくる無自覚型の変態だ。断るときは断らないと、面白いことになるぞ』
名前も知らない彼の事が、とても不憫に思えた。
「いや! いいんだ。なんとなくわかってたから…」
なんとなくわかってたと言うのなら渡さないでほしかった。
と、彼が崩れ落ちそうな言葉を喉元で留め、気まずい空気から逃げ出したいと思った。
「すみません。では、私はこれで…」
「あー、うん。ごめんね、我がままにつき合わせちゃって…」
挨拶も曖昧に、その場を離れた僕は葉留佳さんに連絡を入れた。
もう帰って寝たい。
きっとこれからの人生で忘れることのないバレンタインデーだろう。
それなりに憧れの抱くこの日に、まさか同性から本気のアプローチを受けるなんて…。
今日校門にいるのを発見した時点でなんとなく察してはいた。
同時に、すぐ近くにリトルバスターズのメンバーがいたことから、逃げるのも不可能だって。
あんまりにあんまりな結末に、最近では最大級の溜息が零れた。
涙が滲んでたのも、きっと間違いじゃないだろう。
僕にとっては最大の悲劇で、傍から見れば最大の喜劇だったろう。
唯一の救いは、彼が僕の正体を悟らなかったことだろうか。
■■■
「……………ふぅ」
溜息を堪える。
分かっていた、今日会った時から。俺から早く離れたがっているような気配。
思い返してみれば前回もそうだった。
あれほどの女の子に彼氏がいないわけもなかったんだ。
なんとかチョコを受け取ってもらえただけでも僥倖だろう。
あの後俺を送り出しに来てくれた紫さんに校門まで送ってもらい、別れ際に聞いた。
なんでも、俺があの子に惚れてるらしいのは察しており、どうせなら直接ぶつかって諦めてもらいたかったらしい。
あの子としてもフるのは心苦しいらしく、その決心の為に少し遅れたとのこと。
いい子だ。
ならば、あの子と出会えたことこそが幸せだったんじゃないだろうか。
付き合うなんて高望みは出来るわけもなかった。
あの子の隣には、きっと俺みたいなやつじゃなくて、もっと相応しい人が立っているのだろう。
「失恋なんて、よくあることじゃないか」
それにどうせ一目惚れなんだ! と、自分を騙す。
騙し騙しでも活力が戻ってくるのは、やっぱり空元気なのだろうか。
それでも歩きだし、ちょうど学校が見えなくなる頃だった。
「猫?」
「ぬぉー」
異様に大きい猫が、電柱の下で転がっている。
虎猫だろうか…鳴き声が凄まじい。
俺の事を一瞥し、その身体から考えられないような身軽さで素早く『転がる』と、こちらに向かって突進(?)してきた!
「ぬあっち!」
奇声を上げて避けた俺の横を通り過ぎ、すぐ後ろで急停止した猫は、すくっと『立ち上がり』長方形の手帳のようなものを手渡してきた。
いや、実際にそれは手帳だった。恐らく、あの子の通っている学校の。
「コレは…?」
猫を見ると、「そいつを読め」と言わんばかりに手帳を指さし、一鳴きした。飽くまで「ぬぉー」だったが。
「…………なん、だと?」
何かが、砕ける音がした。
思わず手帳を取り落とす。身体が痙攣してまともに立っていられない。
もしかしたら神は死んだのかも知れない。否、生きていたらこんな試練を下すはずがない。
その手帳には、
『男子生徒の制服』を着たあの子が映っていた。
「そりゃ、そうだ…」
直枝理樹なんて、居るかも知れないけど女としては珍しい名前だ。
中性的な顔つきなんて、女の子っぽい男なだけだ。
スレンダーな体つきなんて、男なんだから当然だ。
つまり、俺は、男に、チョコを、送ったことにな…
精神が耐えきれなかったのか、はたまた別の要因か、俺の意識はそこで途切れた。
病院のベッドで目覚めた時、ここ一週間の記憶が抜け落ちていた。
学年末考査の勉強でのストレスによる短期記憶喪失らしい。きっかけがあればすぐにでも治るとか。
虎猫模様の財布は代えた。何故か見る度に痙攣をおこすのだ。
それとおかしなことと言えばもう一つ、
テレビでバレンタインについて話すと、何故か涙が出るのだ。
医師の判断では、失った記憶の中にヒントがあるらしい。
覚えてないからどうとも言えないのだが、何とも酷いバレンタインデーだった。
追記:学年末考査ではかなりの成績を納めることができた。
終われ
あとがき
一時間遅れ…orz
3月31日の22時当たりに勢いが出てきて、日替わりのあたりはテンションのみで乗り切ったとです。
それでも尚間に合わなかったのだから死にたい…。
ホント申し訳ありません。
名前もなきオリキャラも随分と酷い扱いですし、まだまだ精進しなくてはいけませんね。
連載中の作品もやります。
お恥ずかしながら、最近リトバスから離れてたので口調やノリなんかもあいまいな部分が多く、嘗めてると言われても反論できない状態で臨みました。
何度目かは分からないセリフなんですが、じっくりゆっくり、冷たい視線でも、見守って下されば嬉しい限りでございます。
所で今日、エイプリルフールなんですよね。
あれ? 全く季節違うやん! とか言わないでください。泣きたいんです…。
私にギャグセンスを求めるとgdgdなまま収集つかなくなりますので、気が向かない限りはパスの方向で(マテ
それと、エイプリルフールって午前中にしか嘘吐いちゃいけないんですねー、友人の言ってたこと鵜呑みにしただけですが。
後で知人に「事故った」くらいのメールを送りたいかと思います。
本気にされると困るのでもっと軽い内容で臨むかもしれませんがw
では、今回はここいらで筆を置かせてもらいたいかと思います。
戒めとしてweb拍手は設置せず…と言っても前編の方にあるから自戒になっているのかは甚だ疑問なんですが。
ともあれ、研修生でしたー!
①ドルジは何者ですか 原作においては只のありえないほど肥満体質の猫としか描写はないのですが落とし物を届けるなんて絶対不可能だと思います。
②これは理樹と葉留佳が罰ゲームを被っているのですよね? そうなると 三チームとなっているので
チームA恭介と唯湖
チームB理樹と葉留佳となります あとの八人はどうしたのですか 2:2:8ですか?
③他校の男子生徒は何故理樹の学校を知っていたのですか?買い物には制服でいったわけではないのですよね?
以上の点が自分には理解できませんでした
焦りの末、方向性の定まらぬままに書いた作品にここまで考えて下さり、とてもうれしいです。
では、返答をしていきたいかと。
①、ドルジについては、本音としては話を強引に進める為。建前としては、話の流れ自体がギャグだったので、これくらいならキャラ崩壊させてもいいかなと思ってしまったがためです。今考えると、ここまでやるのならば夢落ちとか、オチまで強引なものにした方がよかったのかもしれません。
しかも話もそこまでギャグ一辺倒にできなかったわけだし…中途半端ですね。
②、あぁ…やはり無理がありますよね。書いてる段階で、「チーム編成とか飛ばしていいんじゃね?」的な思考だったのですが、割愛しすぎましたね。
③、一応、「よりにもよって女子制服を着せられている僕は」って一文があったのですが…今探して見て、かなり分かりづらいですね。
「学校の」女子制服にするべきでした。それと最初の段階で制服だということを言っておくべきでしたね…。
ご指摘ありがとうございます。自分だけ納得してても他の人から見ればわからないことがあるってことが、特に自分のには多いことが実感できました。
推敲繰り返しても自分だし、今度からは知人に一度見てもらってから話として更新しようかな…。
見落としは辛いですね…、これからも私などが気づけずに更新してしまった場合は、ご指摘して下さるとうれしいですw
本当にありがとうございました。
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二次創作がメインで、現在一次創作は停止気味です。
暇なとき、「のんびりしていこう」という場所がここであればとても嬉しいです。
最近の衝撃:
寝言「魔貫光殺砲」
…そうですか、緑の人ですか。
注意:
ルールとかとやかく言うのは嫌ですが、一応と。
他の作家の皆様も何人か迷惑しているそうなのでこちらも。
まぁ、最低限の常識は守ってください。ということです。
文書の無断使用・転載はなさらないよう御願い致します。